パパに泣きつかれ、本当にあの日は大変だった。 むしろあんな姿を見せてしまって、こっちが恥ずかしいくらいなのに。 「綾斗、挨拶いくわよ……って、あれ?」 「こ、こんにちは……」 「え?な、何で!? 綾斗!」 「いや、俺知らねぇから」 「今日起用のモデルの……じゃないよね?」 あたしが首を何度も振る。 そんな話、知らないし! あたしはただ、ママの荷物を届けに来ただけだもん。 「あ、如月綾斗くん。きたわね」 ママ!