はじめて

「あ、いえ大丈夫です。こちらこそすみませんでした。」
「あっ、ちょ、ちょっと待って!」ぐい、と腕を引っ張られ少し体制を崩した。
「な、何ですか?」と恐る恐る聞いてみた。慰謝料でも請求してくるのだろうか。
すると彼は明るく脳天気な笑顔で「あのさ、君の名前、教えて欲しいんだけど!」と言った。
思わず拍子抜けしながらもとりあえず「佐々原花です。」と名乗った。
すると彼は満面の笑みを浮かべて「俺は、野崎晴!よろしく花ちゃん!」
いきなり名前を呼んでくるなんて少し馴れ馴れしい感じもしたが、訂正をいれるのも面倒くさいから放っておいた。
しかし彼は女にモテるのだろう。少し明るめの茶髪に、太陽のような笑顔。程よく焼けた肌に白い歯が眩しい。
所謂「クラスの人気者」タイプって奴だろう。
私とは縁遠い。