"青木君"
彼女――ユキさんは、翔馬の事を苗字で呼んでいた。
思えば、翔馬を苗字で呼ぶ人ってそうはいない。
だから、そんな些細な事がすごく特別に聞こえてしまった。
そして、やっぱり二人はお似合いだった――。
……
「いやー、意外に大盛況だったね!」
「うちら大学生にナンパされたよぉー♪」
「3組のバンド、めっちゃやばかったよね!」
興奮も冷めないままに文化祭は終わった。
長いようで短い文化祭だった。
「文化祭、楽しかったねぇ」
「ねー!」
みんなで後片付けをしながら文化祭の思い出に浸る。
初めての文化祭。
とても、とても楽しくて切なかった。
翔馬とユキさんが、お似合い過ぎて胸が苦しくて眩しかった。
