「…あたし、全然ダメじゃん」
そう。
本当にそう思う。
敵いっこないじゃん。
女のあたしでも、彼女の魅力が分かるくらいなんだもん。
翔馬が好きになっても…ううん。
忘れられなくて、当たり前だよね。
「……はぁ」
教室へ戻るまでに何度ため息を溢しただろう。
彼女、可愛らしくてキレイな人だった。
きっと翔馬の隣を歩いていたら、お似合いなんだろうな。
あたしと違って、本当にお似合いの恋人同士のように見えるんだろうな。
いつかそうなる未来を、想像しただけでまた目頭が熱くなる。
あたしには、何にも無いんだ。
―『頑張って下さい』
ナナちゃんのような勇気も。
―『ごめんなさい、大丈夫ですか?』
彼女のような魅力も。
