「…ごめんなさい、大丈夫ですか?」
あたしがぶつかったにも関わらず、相手は先に立ち上がって謝罪をしてきた。
「大丈夫です、こちらこそごめんなさい」
スッと差し出された手を掴んで立ち上がると、視線を上げた。
「……あっ」
あたしは、動揺を隠せなかった。
この人は…
忘れもしない。あの日、翔馬の隣を歩いていた"運命の人"だ――。
ゆるくパーマのかかった柔らかそうな髪の毛。
色白のキレイな肌、目がくりくり丸くて吸い込まれてしまいそう。
女の子らしくて、可愛い人。
それでもあたしは、彼女をキレイだと思った。
圧倒的な透明感と儚げな雰囲気。
息を呑むほど、本当にキレイな人だと思った。
「あ、あの本当にごめんなさい」
もう一度、彼女に深く頭を下げてあたしは、階段を駆け上がった。
