「ま、楽しみにしといて」って言って自分の家へ入っていく翔馬をただ見つめていた。
楽しみにって、思い出話を?
てかあたし、翔馬の友達と絡みないから分かんないし。
またもやもやが広がる胸を抱えて、あたしも自分の家の玄関に手をかけた。
「…寂しいなぁ」
部屋で一人、ベッドの上のお気に入りのウサギのぬいぐるみに向かって呟く。
寂しい。おんなじ学校に翔馬が居ないって事とか。
2日も翔馬に会えない事とか。
そーいえば、あたし、
小学6年生の頃と中学3年生の頃は毎日泣きっぱなしだったっけ。
翔馬が居ない学校なんて辛すぎて。
寂しかったな。ほんとに。
「…でも」
でも、これからはきっともっと、寂しくなるんだろうな。