――――――
―――
―
季節はいつの間にか流れていった。
あんなに待ち遠しかった夏休みが気が付けば終わっていて、そのままただ何となく過ごしていたらいつの間にか衣替えの季節になっていた。
花火大会以来、自分の中の時計がまるで止まってしまったような感じだ。
嬉しいと言われれば違くて。
悲しいと聞かれればそうじゃない。
自分がただ分からなくて、言うならば何か大切なモノを無くしてしまったような、空っぽになってしまったような感じ。
『明日から2年生が修学旅行なんで2年担当の掃除場所割り振りしとけよ〜』
ただ窓の外を眺めていた帰りのHRで、"修学旅行"と言う単語に体がビクッとした。
あぁ、もうそんな時期なんだ。
確か翔馬楽しみにしてたっけ。
時計は止まっていても空っぽでも翔馬を避けたりなんて事はしなかった。
本能的に、翔馬の隣に居れる時間は、もうそうはないと思っていたから。