―『一緒に居る子、キレイな子じゃん。彼女?』
―「いえ。…可愛い妹、みたいな子なんです」
翔馬があたしを好きになってくれる。
なんて奇跡は絶対起こらないんだ。
翔馬はあたしをどんな風に思っているんだろう。
そんな事をいつも考えていた。
だけど、そんな風に想ってくれていたんだね。
「………」
涙が止まらない。
翔馬からしたら、それ以上でもそれ以下でもない関係なんだね。
――あたし、翔馬が好きなんだよ?
多分、誰よりもずっとキミが好き。
友達だって、ただの幼馴染みだって、言ってくれた方がちゃんと傷付けたのに。
これじゃ、悲しみの涙の中に嬉しさも混じっちゃうんだよ。
翔馬の事、もっとずっと大好きで仕方なくなっちゃうんだよ。
苦しくて苦しくて。でも好きなの。
翔馬は今隣でこうして涙を拭うあたしに、気付いてくれますか?
