小さな公園で泣き出しそうになった時――。
「……あ」
「……あっ」
二人の声が重なったその瞬間、大きな大きな花火が夜空に咲いた。
何発も何発も、夜空を埋め尽くす程の大きな花火にあたしも翔馬も黙って見ていた。
お花のような花火。
真ん丸の花火。
逆さになったハート型の花火。
「…きれい」
星の輝きさえ、見えなくなる。
きれいだった。本当に本当にきれいだった。
今まで見た花火の中で一番きれいだった。
なのに、視界がどんどんぼやけて。
ちゃんと見たいのに涙が邪魔してはっきり見えない。
実はね、聞こえていたんだ。
翔馬と大鷲先輩の会話。
