「じゃ、今度連絡下さいね!」
気が付けば二人の会話は終了していたらしい。
ペコッと大鷲先輩に頭を下げて翔馬はあたしに向き直った。
「も、いーの?」
「ん。待たせちゃって悪かったな」
そんな会話をしてまたあたし達は人ごみの中へ入る。
……
「ちょっと買いすぎたかも〜」
「焼きそば後で一口ちょうだい♪」
やっとの事で人ごみから抜け出してやって来たのは小高い丘にある古い小さな公園。
ここは秘密の花火の名所だ。
昔、翔馬が「珠稀だけに」って教えてくれた場所。
腕時計を覗くと花火開始時間まで約7分。
とりあえず小さなブランコに腰掛け、まだ温かいお好み焼きを食べる事にした。
隣に座った翔馬にも半分おすそわけ。
「うまっ!」
「ん〜おいひぃ」
ソースを唇に付けて八重歯を出して笑う翔馬に思わず吹き出した。
