小さな駅前は夕方のこの時間では普段、考えられないような人の量で。
たくさんの賑やかな出店が軒を連ねて。
まさに人、人、人って感じ。
そんな状態で翔馬はさりげなくあたしの腰に手を添えてはぐれないようにしてくれている。
何度も斜め前を歩くその背中に「好き」と呟いた。
「珠稀、なに食う?」
「ポテト!!」
あたしの念(?)に翔馬は振り返って出店を指差す。
あ、ヤバ。と思ったけど、迷わずリクエストするとまるで位置を知っているかのようにヒュイヒュイ奥へ進む。
「はい、ポテト」
「ありがとうっ!…おいしぃ〜!」
屋台のおじちゃんと翔馬に軽く頭を下げてホカホカのポテトを大切に受け取った。
屋台のポテトって何でこんなに美味しいのかな。
絶妙な塩加減とか、サクサクの表面とか!
