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「まじ!?ちょー羨ましいっ!!」
花火大会前日の昼下がり。
家でじっとしてる事なんか出来なくてあたしはあゆみを誘って最近出来たカフェでお茶している 。
この状況にパニック寸前のあたしを尻目にあゆみは能天気にこの店おすすめモンブランを食べている。
そんな状態であたしとあゆみの温度差は広がるばかりで…。
「浴衣で行っちゃったりしちゃって?」
「浴衣って…デートじゃないしー」
「甘いなぁ〜、男に誘われたならどんな関係でもデートとして捉えるべきなりっ!」
「誰の名言よ…」
「もちろん、ウチの♪」
…あゆみさん、ちょっと無理ある名言ですよ。
視線をずらして、アイスコーヒーの氷をカランカランってストローで混ぜる。
「花火大会なんて誘ってくるから…諦めきれなくなっちゃうもん」
「なーに、珠稀。病みモード?」
ポツリ、と本音を溢した。
嬉しい反面、やっぱり切なくて。
どうやらあゆみの言う病みモードってのに突入してしまったらしい。
