「帰ろっか」
「…うん」
空気を緩和するように翔馬は笑って頭をポンポンってしてくれた。
久々に並んで歩く。
眩しい太陽はあたしと翔馬に影を作る。
あと何回、翔馬の隣を歩けるのかな?
一歩引いて歩く自分の影を見つめながらそんな事を考えていた。
よく、失って初めてその人の大切さに気付くとかって言うじゃん?
でもね、あたしは翔馬の大切さは失わなくても分かってるんだよ。
「…珠稀」
「ん?」
「今年も一緒に花火行くだろ?」
「……えぇ!?」
翔馬の突然の発言を理解するのに30秒はかかった。
目を飛び出して驚くあたしに翔馬が吹き出す。
だって、まさか…誘ってくれるなんて…。
翔馬が言ってるのは地元で開催される結構有名な花火大会で。
毎年、あたしと翔馬は二人で見に出掛けてて。
今年は、翔馬"あたしじゃない人"を誘うのだとばっかり思ってたから本当に泣きそうなくらい驚いた。
