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「珠稀また90点!?やばすぎ」
「赤点仲間じゃなかったのかよぉ」
「裏切り者ーっ!!」
あれから、翔馬とは一言も話さず、テスト週間が終わり夏休み直前まで迫って来ていた。
あたしはただ、何も考えないように頑張ってテスト勉強して。おかげで無事に赤点は免れた。
「あたしは有意義な夏休みをエンジョイしますから〜」
「きぃぃぃ」
生まれて初めてこんなに長い時間、翔馬の顔を見ていない。
スマホには翔馬からいっぱいメッセージが入っていたけどあたしはそれが目に入らないようにただ【ごめんね】とだけ送った。
今の自分じゃ、現実を受け止め切れなくて。
まだ避ける事しか出来ないガキのあたし。
「……はぁ」
机上のテスト用紙はどれも丸がいっぱいで。
それは喜ばしい事なんだけど。
「………翔馬」
翔馬に笑って報告したかった。
「よく、頑張ったな」って笑って欲しかった。
くしゃくしゃに丸めてロッカーへ放り込んだテスト用紙達。ごめんねと呟いた。
でも、そんなの全然嬉しくなかったの――。
翔馬が笑ってくれなきゃ意味すらなかったの――。
