一度言葉に出してしまったら、二度と取り消す事は出来ない。
「…そうかもしれない。でも…好きだなって思った」
「……」
翔馬はあたしの目を真っ直ぐ見据えて言った。
綺麗な目…
あたしは何度この瞳に"運命の人"として映って欲しいと思っただろう。
…あたしは走り出した。
呼び止める翔馬の声にも振り返らないで。
行き着いた先は翔馬と彼女が出逢った公園だった。
誰も居ない梅雨の公園のブランコに座ってただひたすら泣いた。
泣いたって自業自得だもん。
勝手に翔馬の隣に居れるって思ってたあたしが悪い。
思いを伝える時間はたくさんあったはずなのに。
伝える事を避けて。
きっとこのまま隣に居れるからって。
だから、翔馬が誰と付き合っても平気だって思えたし実際そうだった。
「…あたし、ほんと…何してたんだろ」
でも、本当は分かってたって思う自分が悔しい。
本当はどこかで分かってた。
あの優しい顔を向けていた彼女を好きなんだなって事も。
翔馬は自分の傘を誰に貸したかって事も全部、分かってたの。
