大事な今日を、何だかムダに過ごしてしまった気分。
下校途中何度もこの雨が昨日の記憶を消してくれたらいいのに、なんて馬鹿げた事を思ってしまった。
こんな事考えてる時点で消せるわけないのに。
昨日の、翔馬とあの彼女が居た場所を通る時、胸が痛くてまた涙が出そうだった。
「……珠稀!!」
やっとの思いで通り抜けた時、大好きな声で名前を呼ばれた。
振り返んなくても誰だか分かるよ。
「…翔馬…傘どーしたの?」
「ちょっと人に貸して。入ってもいい?」
「…うん」
あんまり翔馬がずぶ濡れだったから小さな折り畳み傘だったけど二人分何とか収めた。
「ありがとな、珠稀」
「いいけど…風邪、引かないようにね」
「ん」
ほら、あたしいつも通り翔馬と会話出来てる。
