「…いってきまーす」
昨日は、いろんな事を考えて頭の中がぐちゃぐちゃで全然眠れなかった。
通いなれた通学路を一人、梅雨空のもと傘をさして歩く。
いつもは翔馬に会いたくて遅刻ギリギリで家を出ているのに今日は20分も早く家を出た。
珠稀と今日会わないなって、思って欲しくて。
それに…きっとあたし、翔馬の顔見たら聞かなくてもいい事聞いちゃう気がして怖かった。
「珠稀〜おは!今日早くない?」
教室に入ると一番にあゆみが声を掛けて来てくれた。
「…早起きしちゃって」
笑顔を作って、そのまま席に突っ伏した。
あゆみの顔みたらなんだかホッとして泣きそうになる。
初めて、誰にも相談していない恋を辛いと感じた――。
