帰り道。
生まれて初めて、数学の教科書片手に歩いてみる。
う"ー。ワケわからん。
意味の分からない数式に今更ながら頭痛がする。
授業中は基本、友達とおしゃべりしかしていない自分を思い返して何度目かのため息をこぼした。
もーやめたやめたっ!
また後で勉強すればいいやっていつもの悪いクセで教科書を閉じて歩きだしたその時――
「…翔馬?」
大好きな後ろ姿が見えた。
だけどあたしは、その場から動けなかった。
翔馬の隣には見たことがない女の子が居て。
翔馬はすごく優しい顔して笑ってて。
思わずあたしは二人を避けるようにいつもは曲がらない道に走って家へ帰った。
