「…あった…珠稀、手出して」
振り返った翔馬の手にはあたしが散々探していた湿布が握られていて、あたしも素直に左手を翔馬に差し出した。
翔馬は丁寧に腫れている箇所に湿布を貼ってくれる。
たまに触れる翔馬の長い指先がたまらなく愛しくて。
あたしの鼓動は加速するばかりだった。
――翔馬もドキドキしてくれているかな?
チラりと翔馬を見つめても普段と何ら変わらぬ顔してる。
きっとあたしの事、全然意識した事ないんだろうな。
…分かってる。
そんな事、承知の上で好きなんだもん。
「よし、できた…どう?」
「うん。大丈夫みたい、わざわざありがとね」
それでもいいと言い聞かせてみても少しだけ切ないよ。
「じゃ、あたし行くね」
「俺も戻るかな。あ、珠稀無理すんなよ?」
「はいはい」
あたしたちの心の距離はずっと縮まらない。
多分これからもずっと平行線のまま。
それでもいつも心で叫んでいるよ。
ねぇ翔馬。
翔馬の瞳にあたしはどんな風に映っているの?
