誰もいないのに室内をキョロキョロ見渡す不審なあたし。
「…湿布だけ貰っちゃお」
仕方ない、よね。
保健の先生、どうかお許し下さい。
心の中で土下座してあたしは消毒液やらガーゼやら絆創膏などが陳列されている棚をがさごそする。
「あれー、ないや」
いくら探しても一向に湿布らしきモノが見当たらない。
え、まさかの湿布切れってヤツですか?
「…あぁー、痛いよー」
あたしの左手首はさっきより赤くなっていてちょっと触っただけでも痛すぎるくらいに痛い。
どうしようかと無い頭をフル回転させていた時…。
「…―珠稀!」
「え…」
目の前にはひどく心配そうな顔をしたジャージ姿の翔馬が居て。
「大丈夫か??」
「うん…でも何で翔馬来たの?」
「珠稀の友達が教えてくれた」
翔馬の話によると―…。
あたしと別れてから体育館へ向かったあゆみ達だったけど、道中で貧血になってしまった人が居たみたいで保健の先生が介抱している真最中だったようだ。
