「え、いーよいーよ」
「いーから」
「でも…」
困惑してるあたしの肩を優しくポンって叩いて翔馬は教室に行こうとする。
「あ、ありがと!」
返事をする代わりに翔馬は笑った。
翔馬の姿が見えなくなるとあたしは廊下のど真ん中にヘナヘナ座り込んでしまいそうになる。
「…良いことあった、かも」
貰った500円玉を握りしめて、やっぱりあたしは教室に戻って来てしまった。
だって翔馬がくれたお金だもん。
こんなのもったいなくて使えないもん。
そのあとやっと学食に戻って、お昼のラーメンの麺がすっかり伸びてしまったあゆみにすごい勢いで怒られたけどあたしの頬は緩みっぱなしだった。
「コラッ、珠稀!!」
