あぁサイアク…。
エネルギーの無い体をむりやり引きずって小走りで1年の教室に戻ってる途中で、
「珠稀?」
4時間目は体育の授業だったのか、体操服姿の翔馬があたしに声をかけてきた。
―「おい、ショーマ!先教室戻ってるぞ〜」
同じく体操服姿の友達に翔馬は軽く手を振って「おぅ!」って返してまたあたしに声をかける。
「どした?そんな慌てて」
「…財布教室に忘れたの」
「ドジだなぁ〜(笑)」
あたしの膨れっ面に翔馬は八重歯を出して笑う。
またプクーってふくれるあたしに翔馬は、いいモンあげるってグーにした手をつき出す。
「…なに」
「ほら、手だしてみ」
そっと手を差し出すとその瞬間、少し温かくなった500円玉があたしの手のひらに落ちてきた。
