桜side



いつもの白い無の世界ではなく


闇のように真っ暗な世界だった




『愛してます…………幸雄(ゆきお)様……』

『あぁ……。 僕もだよ。 春華…………』


幸雄……? 春華……?

それは誰………?


『例え君が鬼でも僕は君を愛し続けるよ……』


鬼?


『この春華幸せでございます』


目の前には肩を寄り添い合っている
男女の姿が見えた


しかし、女のほうは
輝かしい白銀に額には角が二本生えていた


二人とも幸せそうに目を瞑っている