「んで、結局復讐をやめてハッピーエンド!
 …だろ?」

そう言って原稿を机に乱暴に机に置いた。

「違うよ?」
「ん?」
ニコニコと人懐っこい笑顔を浮かべながら
彼女は続けた。

「やっぱり復讐心を捨てれなかった女は
 七夕の夜に男を殺すの。
 1年に1度しかこの日にしか会えない
 恋人の物語の日に、永遠の別れを告げるの」

笑顔のまま、コーヒーカップに口をつけ

「愛してるけど、許せない
 だから自分の手で、この日に復讐を果たすの
 …どう?ロマンティックでしょ?」

カップを置きながら、そう語る彼女の顔に
少しドキッとした。