すでに、サッカーコートには選手が集まっており、それぞれアップなどの準備体操をたり、談笑を楽しんでいる選手もいた。
「えー、俺が今日審判を務める。時間は30分。前半後半はそれぞれ15分づつで、ハーフタイムは5分だ。
じゃあ、B組ボールから試合を始めるぞ」
北条は、ボールをB組の7番の選手に渡して笛を鳴らした。
ピーーー!!!
威勢の良い笛の音が響き渡る。
7番はボールを、味方にパスし、7番からパスを受けた選手も、すぐさま他の選手へパスを渡した。
……………
日本人の特徴が表れていた。
まず、第一に個人プレーをしない。
北条から「個人プレーをするな」と言われているわけでもなかった。
ただ、自分から仕掛けようとはしなかった。
ボールを譲り合うばかりで、相手のチームも弱めのプレスをかける程度だった。
……………
ボーゼンと突っ立つハヤト。
その表情は呆れていた。

