「おーい、準備体操は終わりだ。B組はビブス着用で試合しなさい」
北条は、体育倉庫からサッカー専用のビブスを持ってきてB組の選手を呼んだ。
わらわらと北条に集まっていく選手たち。
目の前にあるビブスの入った箱から、一つ、また一つと取り出して次々に去っていく。
ハヤトも、適当に箱に手を入れてビブスを取った。
番号はーーー9
ーーうん、そこまで悪くないかもな。
一方、上江田はエース番号の“10”のビブスを着ていた。
故意で狙ったのか偶然かは分からないが、上江田の顔は妙に満足そうだった。
北条は、ビブスをB組の選手全員が装着したのを確認すると、すぐさまサッカーコートに行き、試合をするように指示をした。

