時計の針の行方


刻々と授業は進んでいった。
テスト直前のためか、ほとんどの生徒が授業を熱心に受けていた。
ハヤトも、すっかり授業に集中している。
赤点だけは免れたい。
その思いがハヤトを集中させていた。


……
………


キーンーコーンーカーンーコーンー

長い長いチャイムが鳴り、授業は終わりを告げる。
英語担当は、号令もかけずにすぐに教室から出ていった。

「うーん…」と座りながら背伸びをするハヤト。

うん、自分にしては良く頑張った。
そこまで、難しい内容にはなってないし、なんとか大丈夫かな。

ハヤトが安堵の色を浮かべ、後ろの上江田に話しかけた。

「なあ、二時限目って体育だよな?チャッチャッと着替えて早くグラウンド行こうぜ」

なんか、心なしか気分が良かった。
時間を有効に使ってるからだろうか。
朝から充実している感じが、一時限が終わった段階でも続いていた。