「今から歩いても、五分程度で着くから大丈夫だろ」
学校は、八時三十分からホームルームが始まる。
けっこう走れるもんだな…
ハヤトは心の中で満足していた。
少し、休憩し二人は歩き始めた。
美空が不意に口を開く。
「ねえ、今日でテスト三日前だよね?ちゃんと勉強してるの?」
そうだった。そういや、テスト前だったか。
「勉強?勿論してないぞ。
つーか、なんでお前がテスト前ってこと知ってるんだ?」
「だって、担任の細川先生に前もって言われてたから」
ふーん… まあ、昨日の様子だとコイツも勉強してないだろうな……
ハヤトは、仲間を見つけた感じがして、少しだけ嬉しかった。
「そこで」
美空が口を開く。
なんだ?まだ、なんかあるのか?
「今日は、放課後残って勉強しようと思うのだけど、どうでしょうか?」
前に回り込み、下からハヤトの顔を覗く美空。
おいおい、なんだそりゃ…
これ以上、かったるいことに付き合わせんなよ…