「すまん…玲…」
「パパ…謝らないでよ…」



この時、パパはただただ謝るだけだった。

会社が倒産だなんて…
私の充実した生活が崩れていく。
だれが、悪いとかじゃない…


「私は、大丈夫だから…ね?」
「すまん…本当に…すまん!」
「パパ…」
「玲には辛い思いをさせてばかりだ…」



弱々しく消えてくパパの言葉に寂しさを覚えた。



それからしばらくして、住み慣れた大きな屋敷を後にした。