「……何言ってんのお前」 心底呆れたようにあたしを見る若宮。 「……え、違うの?」 「…どこをどう考えたらそういう風になるんだよ……」 「だっ、だって彩と話す時顔赤かったし!」 「はぁ?いつの話してんだよ?」 「バレンタイン!」 「バレンタイン…?」 一瞬考え込む顔をした若宮は、少しして「あぁ」と何かを思い出したような声を出した。 「あれはアイツが…!」 「……アイツが?」 なぜか途中で言葉を切った若宮は 「………なんでもねぇよ」 気まずそうにあたしから顔を逸らした。