「ちょっやめてよ！！！」
慌ててその手を振り払おうとするけれど
「…ほんとうっせー女」
呆れたようなため息とともに
ギュッと繋ぐ手に力が込められた。
「こっちのが自然だろうが」
はいぃぃ！？
どこがどう自然なんですか！？
てかコレあたしのファースト恋人繋ぎなんだぞそこんとこ分かってんのかバカヤロー！！！
「…これ嫌がらせだから」
「は！？」
突然ボソッとそんなことを言い始めた若宮。
「こんなブスにあんな全力で否定されるとは、俺もナメられたもんだな」
は？否定？
…もしかして若宮と付き合ってないって言ったこと？
「だって事実じゃん」
「別に頷いてもよかったのに」
「……は？」
「付き合ってみる？俺ら」
ちょっと後ろを歩くあたしを見下ろして、若宮がニヤ、と意地悪そうな笑みを浮かべる。
