ご飯に向けていた視線を父さんに向ける。

父さんの眉間には少し皺ができていた。

「椿」
力強い目を向けてくる。

「‥お前の目が見てそう思うんなら、そうなんだろうな」
そう言って、笑顔を見せた。

「お前、名前は」
「池沢葵です」
葵は小さくお辞儀をする。

「椿を、頼むな」
「‥はい」
父さんは笑って、
「優にも紹介してやれ」
そう言った。

「‥うん」
私も、ぎこちなく笑った。