何時間たったのかわからない。
葵はしばらくすると私から腕を離し、立ち上がって窓の方に行って、私の方を向いてとびっきりの笑顔で
「雨、やんだね」
そう言った。

私は涙を拭き
「‥そう‥だね」
泣きすぎて、上手く喋れない。

時間を確認すると5時をまわっていた。
もう、放課後だ。

「腹減ったー。
なんか、食べに行く?」
ニカッと笑う葵。

「‥家、来なよ。
今日は、助かったからお礼‥。」
「いいのか?」
「うん」
「‥じゃ、お言葉に甘えて」

葵と隣に並ぶと、葵の方が少し大きかった。
私は160ある。

「葵、身長何センチ?」
「168だよ。
男にしてはチビだよね」
「でも私からしたら葵くらいの身長の方がいいな。
やたらでかい人とかなんか嫌だし」
そう言うと
「ありがとう」
って微笑んできた。

私はなんでありがとうって言われたかわからなかった。