――放課後

「さようなら」
「「さよーならー」」

鞄を持ってバイク置場に向かう。

あー、不良達がいっぱい。
その中には、もちろん女はいなくて、私1人が変に目立っていた。

――「お帰りなさいやせ」
「‥ただいま」
すれ違うヤクザに挨拶をする。

自分の部屋に入ると、まずスエットに着替える。
着替えた後は、父のもとに向かう。

「ただいま、お父さん」
「お帰り、椿。
どうだった、学校は。」
優しく笑う父。

「うん、くだらない1日だったよ。
餓鬼ばっかで、うんざり。」
苦笑いをこぼす父。

「椿‥。
何がお前を変えたんだ?
昔は‥、よく笑ってたのに。」
何が、変えたのか‥。
母の死、組員の裏切り。
それが、原因だと思うよ。
でも、私は父には言わない。

「なんで変わったんだろうね。
自分でもわかんない。」
そう言うと、父は困った顔をする。

「じゃぁ、私出掛けるから‥。」
ドアに手をかけると
「椿。本当の事は話してくれないのか。」
「‥‥ごめん」

私は、部屋を出た。

廊下を歩きながら思う。
父は、ズット嘘をついていた事を知っていた。

自分の部屋に戻り、銃を腰にかけ、ポケットに携帯を入れ、コートを着、山本組を出た。