鋭く睨みつける。

「ま、私がやられたわけじゃないからしないけどね」

私はそう言うと立ち上がり、教室を出た。

――屋上に行って、フェンスに背を預け、座り、目を閉じる。

「あ、あの!!!」
頭の上から声がする。

目を開け、ユックリ顔を上げる。

「‥なにしてんの」
そこに居たのは、イジメられてた子。
「お礼を‥‥。」
「いや、あんたを助ける為に言った訳じゃないから」
えっ、とマヌケな声を出す。

「アイツらが鬱陶しかっただけ」
そう言うと、困ったような、恥ずかしいような顔をする。

「早く教室行けば?
授業始まるけど」
「あっ‥、うん‥。」
俯きつつ出ていく女。

勘違いもいいとこだ。

‥‥それにしても、ここはギャルやら不良やらが多いな。
はぁ‥。
めんどくさい事にならなきゃいいけど。