「ここです」
見ればわかります。
そう言いそうになったけど、ぐっとこらえる。

「教室に入る前に、ききたい事があるんですが」
「なんですか?」
「席、どこですか」
「1番後ろの窓側ですよ」
「そうですか」

――ガラガラ
教室を開けると、皆の視線がこっちに向けられる。
私は前だけ見て、自分の席に座った。

座るのと同時に、前のドアが開いた。
入ってきたのはもちろん担任の笹倉先生。

「おはようございます。」
「「おはようございまーす」」

「えーっと、今日は一週間休んでた星野椿さんが来ました。
グループとかもう出来てると思うけど、仲良くしてやってくれ」
「「はぁーい」」

お前、何様だよ。
そう思いつつ、空を見る。

「いい天気」

教室を見渡すと、もう笹倉先生はいなくて、教室は騒がしかった。

嫌な、学校生活が始まる。
そう思いつつ、また空に目を向けた。