――「椿、今日学校はどうすんだ」
部屋に入って来た兄ちゃん。
薄暗く、表情はよく見えない。
でも声はどこか心配そうだった。
「行かない」
私は布団を頭までかぶり答える。
「わかった」
兄ちゃんはとくに何も言わないまま、ベッドに腰掛けた。
いつも、雨の日は隣にいてくれる。
雨の日は、お互いがお互い、いつも以上に必要とする。
学校に行かない理由。
今は、梅雨だから。
あの日から‥母さんが亡くなった日から、私は雨と雷が怖い。
雨がふり、雷が鳴る6月が、私は嫌いだ。
あのときを、思い出してしまうから。
部屋に入って来た兄ちゃん。
薄暗く、表情はよく見えない。
でも声はどこか心配そうだった。
「行かない」
私は布団を頭までかぶり答える。
「わかった」
兄ちゃんはとくに何も言わないまま、ベッドに腰掛けた。
いつも、雨の日は隣にいてくれる。
雨の日は、お互いがお互い、いつも以上に必要とする。
学校に行かない理由。
今は、梅雨だから。
あの日から‥母さんが亡くなった日から、私は雨と雷が怖い。
雨がふり、雷が鳴る6月が、私は嫌いだ。
あのときを、思い出してしまうから。
