「どうします?
奥さん。
娘と生きたいか、旦那と死にたいか」
泣いて、話をきいていない。
「殺してあげますね」

――パン
部屋に鳴り響いた。
さっきまで女の人が泣いていてうるさかったのが急に静かになった。

「女の子、どうするかな」
私は女の子と慶がいる部屋に向かった。

「あ、もうお話終わったの?」
「うん、終わったよ。
‥ねぇ、もしもお父さんとお母さんが死んだら、どうする?」
「んー‥、綾乃も死ぬ!
それで、天国で幸せに暮らすの」
「そっか」

――パン

慶は女の子から目を逸らす。
私は、女の子をお姫様抱っこし、リビングに連れて行った。

「‥‥慶、行くよ」
いつまでも、3人を見つめる慶の腕を掴んで無理矢理動かす。

「あ、もしもし。
片付けたから、後始末、よろしく」
[了解]

私達は、気まずいまま、バイクに乗って組に帰った。