人形

｢まぁ、私が言うのもなんですが、座って下さい｡｣

｢本題に入ります。
山本組組員の和(かず)とゆう男をご存知ですか？｣

女の人は首を横に小さく振った。
男の人は首を縦に小さく振った。

｢‥私に、嘘はつかないで下さいね。
ついた場合は、即殺します。
和とゆう男が、数日前朝野組の組員１０人に袋にされました。
その１０人の話によると、冴島尚高とゆう男に頼まれたそうなんです。
冴島尚高とゆう男をご存知ないですか？｣

女の人は、隣に座る男を見た。
男は、俯き。
少しして、
｢俺です。
あいつが‥にく‥‥
――――パン
｢言い訳などきいてません｣

――ドサッ
と男は後ろに倒れた。

私の手には、銃。

女の人は、泣き崩れていた。

あの１０人も、もう殺し済みだ。