「慶と相棒、ねぇ‥‥。
取り合えず、私今日仕事あるから」
「俺も行かなきゃなんねーの?」
「当たり前じゃん。
相棒だもん」

まじかよって顔をする。
絶対こいつ嘘つけないタイプだよ。
そう思いながら喋っていた。

――「慶、行くよ」
「おう」

私がバイクの前に乗って、慶が私の後ろに乗る。
向かったのは、ある人の家。

――ピンポーン
「どちらさまですか?」
小学校1年生とおもわれる女の子が玄関を開けて、私達にきいてくる。
「お父さんの、お友達」
ニッコリ笑って答える私。

慶を盗み見ると、なんとも言えない顔をしていた。
「慶、感情は捨てな」
慶にだけきこえる声で言った。
悲しそうで、辛そうな顔をこっちに向けた。
その顔は、『こんな小さい子、殺せない』そう言っているみたいだった。

「お父さん、どこにいるの?」
「お家いるよ。
呼ぼうか?」
「ううん、大丈夫。
お家、入っていいかな?」
「うん、どうぞ」
そう言って笑顔を見せる女の子。

私は先に慶を通した。
私は玄関に足を踏み入れると、鍵とチェーンを閉めた。
これは、子供とかに逃げられたときの時間稼ぎだ。