「あのさ、椿の話だと、兄さんが山本組をつぐんだよな?」
「前はそうだったけど、今は私がつぐって話になってる」

眉間に皺を寄せる慶。

「母さんが亡くなったから。
兄ちゃんは、私が母さんの会社をつぐと、また自分をせめかねないって言って。
兄ちゃんが母さんの会社をつぐことに、私が父さんの方をつぐことになったの。」
「へぇー。
椿の母さんを殺した奴は、今どうしてんの?」
「土の中で眠ってる。
ちなみに、私が殺した。」

しらっと答える私に、慶はひきつりながら「こぇー」とつぶやいた。