「葵‥ここにいたの?」
パイプ椅子に座って外を見ている葵。
「うん」
微笑む葵。

「椿‥こっち来て」
自分が座っている隣をポンポンっとたたいた。
私を言われたとうり座る。

「どうかした?」
「べっつにぃ?」
いつものように笑う葵。

「今日、椿ん家行っていい?」
「‥え?」
「椿の父さんに、挨拶したい」
「いいよ‥そんなの」
挨拶に行っても、反対されるだけだし。

「椿」
私が顔を上げると、私の唇に軽くキスを落とした。

葵のキスは、いつも私を安心させてくれる。
薬‥のようなものだ。