「葵に、何があったかわかんないけど、話してくれる日待ってるから」
フェンスから飛び降りる。

葵は、俯いていた。
何かを、思い出すように。

私は静かに屋上を出た。

自分でも、なんであんな事を言ったのかわからない。
ただ、思った事を口にしただけ。
でも、私はめったに口にしない。
ひょっとしたら‥‥
いや、考えるのはやめよう。

ため息をつき、あしを一歩踏み出した。