葵と先輩は少し離れる。
私は屋上のドアに寄り掛かり、腕をくんで2人を眺める。

「私‥池沢君が好きなんだ。
よかったら、付き合ってくれないかな?」
静かな屋上では、私に声はまるぎこえ。
照れ笑いする先輩を、葵は冷たい目をして言った。
「悪いけど、無理だから。
てゆうか、俺の何を知ってるわけ?
一目惚れって、顔しか見てないって事だろ?
‥うぜーんだよ」
そう言って睨みつける葵。

私はそれが合図かのようにドアから離れた。

先輩の頬には涙。
泣いている先輩をも冷たく見る葵。
先輩は逃げるように屋上を出て行った。

これで、10日間に葵が告白された人数は7人。
多分、もう告白してくる人はいないだろう。
なんせ、『池沢葵は星野椿以外には冷たい』とか『告白すると、冷たく、睨まれる』とかそうゆう噂がながれている。
まぁ、事実だけど。

私は葵の方に向かって歩く。
葵を通りすぎ、フェンスに座って、葵の方を見た。
葵も、私を見ていた。