――「おはよ、星野」
「‥はよ」
学校で挨拶してくるのは1人しかいない。
葵だ。

最近変わった事といえば、葵と学校で一緒に過ごす時間が多いとゆう事。

葵は私以外とはあまり話したりしようとしない。
過去に、何かあったのかもしれない。

「池沢君、2年生が呼んでるよ」
1人の小柄な女が教室の後ろのドアの方を指差した。
葵はうんざりした顔で立ち上がって、私を上から見下ろした。

「ついてきてよ」
「‥はいはい」
葵は必ず呼ばれたとき、私を連れて行く。

先輩の所に行くと、私を見て少し固まる。
「えっと‥。」
言葉がつまる先輩。
「取り合えず、屋上に行きましょうよ」

9月の屋上は、まだ少し暑く。
たまにぬるい風がふくだけ。