それから私は休み時間ごとに、宙から借りた本を読みながら時間をつぶした。
何でかって?
だって、休み時間ごとにいろんなクラスの子が私を見にくるんだもん。
私は新しい珍獣かって、言いたくなる。
私を見にきて人間が噂するのは、二種類。
一つは、私が可愛いと言う男子の噂。
二つは、私が生意気だとか気取っているだとかいう女子の噂。
まだ、一度も接点がない人間にまで、悪口を言われるんだから、世も末よね。
しっかし……。
さっきから、なんかすごい視線を感じるんだけど。
……となりにいる宙は、さっきから寝てるし。
気のせいかしら?
まぁこれだけ、人から見られればわからないわよね。
そう自分に納得させ、私はまた活字の海に沈んでいった。


