双子の姉妹の マキとマイ

(うわぁ、めっちゃ美人じゃん!!)


(そぉう?だって愛想がないじゃない)


そんなことを、クラスの人間はコソコソとつぶやいた。


……全部、聞こえてるんですけど?


はぁ。


これだから、低級な人間は。


「えぇーと。今日から、A組に入ることになった、マキさんだ。マキさん、自己紹介を」


私は先生に話をふられた。


自己紹介?

……あぁ。


名前を言わなくちゃいけないのね。


「マキ・リンドゥ・ソルシャードです。外国から帰ってきたばかりで、日本のことはあまりわかりませんが、よろしくお願いします。ちなみに、私の双子の妹もG組にはいりました」


私は、ニコッと微笑んだ。


そしてさっき、私のことを愛想がないとか言っていた、女子のほうを見て言った。






「私と違って、愛想がいいので、よろしかったら仲良くしてくださいね」


女子は、顔を赤くしてうつむいた。


……ふん。


私の悪口なんて、一億万年早いのよ。


いつもなら放っておくんだけど、やっぱり第一印象って大切よね。


なめられたら困るもの。



「先生。俺のとなりあいてます」


1番窓際に座っている、男子が手をあげた。









「…宙!?」


思わず、大きな声を出してしまった。