こ、恐いです!!


表情が無です!!


無ですよーーー!?


さっきまでの笑顔ってなんだったの。


私の混乱を放っておいて、響夏は進めた。


「俺、マキが好きなんだ。好きってわかる?」


私は首を横にふった。


「そっか……。好きっていうのはね、理屈抜きで守ってあげたくなることなんだよ?」




よ、よくわかんないです!!

でも、一応頷いておこう。






「俺、学校の補習の帰りでたまたま公園を通りかかったんだ。そしたら、日本人じゃない女の子が、いかにもカスな男に囲まれてたんだ。その女の子がマキだった。俺はそのまま通り過ぎようと思ったんだよ。そしたら、すっごい大きい叩いた音がしたんだ。びっくりして振り返って見れば、また驚き。叩いたのは、男の方じゃなくてマキのほう。俺の周りにはね、あんな気の強い女の子がいなかったんだ。それで、初めて利益にならないことをしたわけ。マキを助けたんだ。マキは俺のことを見ても媚びを売るわけでもなく、自信満々の態度を全く変えなかった。その瞬間、俺にはマキしかいないって思ったんだ」