『マキ様、お上手です!』


いつも、誰よりも純粋に私を褒めてくれた。


私は微笑んで言った。


「ルルアがいつでも私の味方でいてくれたから、私はマイのことを好きでいられたの。ありがとう。ずっと一緒にいてくれて」


ルルアはブラシを机の上に置くと、片手で涙を隠すように目をこすりながら言った。


「やめてください…。お礼を言うのは私の方です」


ポロポロと涙を流しながらルルアは私の手を握り返した。


「私のお母様は没落貴族出のメイド。お父様は魔界の王。お兄様もお父様も、私を可愛がってはくれましたけど、やっぱり理解してくださらないかたが多数でした」


ルルアは私を見つめて微笑んだ。


「初めてマキ様と会ったのは、7歳の頃。一週間に一回だけ通うことができた学校でした。その日も私は陰口をたたかれてました。一人教室の隅で本を読んでいたら、前の席の女の子に声をかけられたんです」


私も覚えている。