双子の姉妹の マキとマイ

初めて知った。


マイがそんなことを思っていたなんて。


何それ。


全部私の空回りだったの?



何も言わない私に、マイは畳み掛けるように言った。


「今回のこともマキ姉が私に話してくれたら、もっと他の解決策あったと思う!何で言ってくれなかったの!?」


「だって…マイは宙と上手くいってたから。私さえ我慢すれば…」


「そんなの全然できてないじゃん!!」


うっ…と私は唸った。


マイは御構いなしに私に詰め寄ってきながら言う。


「できないことなんて分かってたでしょ!マキ姉は私よりも頭良いんだから!!なのに私にも響夏にも遠慮して…。意味わかんない、意味わかんない!!私たち姉妹なのに!!マキ姉は私のこと妹って思ってくれてないの!?それとも、私がマキ姉だけ我慢して魔界に帰って王位継ぎなよっとか言うと思ったの!?」


マイは私の正面に立つと、私に抱きついてきた。


そして、ワンワン泣きながら言った。


「そんなわけないじゃん!!たった一人のお姉ちゃんなのに!!マキ姉が私のことを思って魔界に帰ったみたいに、私だってマキ姉の幸せを願ってるよぉ!!」


私は自分に抱きついて泣くマイを抱きしめた。


ポタポタとまた涙が出てきた。


私が馬鹿だった。


マイが言った通り、私がマイのことを考えたように、マイだって私のことを考えてくれたはずだったのに。


私が私たち姉妹の差を気にしていたと同様に、自分でその差を作ってたんだ。


マイはこんなにも私のことを考えてくれてたのに。


私は自分のことしか考えてなかった。


私は抱きしめる腕に力を入れて言った。


「ごめんなさい…。マイ…私が悪かったわ。私が全部悪かったわ。私のたった一人の妹…本当に大好きよ!」


初めて伝えた大好きは、気恥ずかしくて、とても素敵な響きだった。